蒼い月
「あたしはまだ夢とか
ないなぁ・・・」
「まじで?
好きなこととかもねーの?」
「好きなことかぁ・・・
演技することかな?」
あたしは何となくそう言ってみた。
演技するのは得意じゃないけど
嫌いじゃないかったし。
「じゃあさ!
オーディション受ければ!?」
「え!?
あたしなんかが無理だよ!」
「そんなのやってみねーと
わかんねぇじゃん!」
確かにそうかも・・・
やる前から諦めてちゃだめだよね?
あたしは晴輝のおかげか
妙にやる気が沸いてきた。
よーし・・・
「あたし受けてみる!」
―この一言が
あたしの将来を大きく左右するなんて
思っても見なかった...