蒼い月
席は...?
「鎌田の隣な!」
「鎌田...?」
瀬戸内晴輝が回りを見渡す。
それにしても鎌田さんの隣かぁ・・・
あーあ、なんてかわいそうなんでしょう...
ってん?
んんん?
鎌田ってまさか・・・
「あ、あたしの隣ぃ!?」
「おぉ、鎌田!そんなに嬉しいのかぁ・・・
よろしくな♪」
「いやいや、よろしくないです♪」
「そんなこと言ったって1人の席は
そこしかないんだから・・・
まぁ、仲良くな!」
さ、最悪.....
こんな違う世界の人と隣なんて・・・
あたし運悪すぎ。
あたしが大声を上げたせいか
瀬戸内晴輝はまっすぐに
あたしのところへきた。
「鎌田さん...だっけ?よろしく」
「・・・よろしく」
1人の席、選ぶんじゃなかった~!
でもなぁ...ここ窓際だし、
後ろだし、1人だし...
最高だったのに....
ってまさか有沙が言おうとしてたのって
このこと!?
「え...何?」
なんかめちゃくちゃ視線を
感じるんですけど。
「いや...面白いなーと思って」
・・・・?
何が?
何がおもしろいの?
「あたしの顔、面白い?」
「うん」
「即答...」
即答、ということに少しショックを
受けつつ、つぶやく。
「あはははっ!
ほんとウケるし。
さっきから1人でいろんなこと
話してるし...ヤベー」
いや、別にヤバくなくない?
最近の日本語、おかしいよね。
しかも何その王子様的な笑顔は。
絶対明日からすごいなぁ、この辺。
あーあ、1人の有意義なMorning Timeが
台無しになってしまう...っ!
「何?誰かそこにいる?」
瀬戸内晴輝は1人で手を使って
いろいろやっていたけど、
あえて、そこには何も言わなかった。