蒼い月

「笑、有沙おはよ・・・」

「飛鳥ちゃん?
おはよう♪」



あたしの言葉を遮るようにして


声をかけてきたのは...


真朝だった。


その後ろには瑞穂も...



「今日の放課後、
話があるから1人で教室に残っててね♪」



真朝は氷のように冷たい


笑顔でそう言った。


1人を強調するあたり、


いいことだとは思えない。



あたしは何となく


居心地が悪くなって教室を出た。


でも不運には不運が重なるものだ。



「よぉ、飛鳥!」

「あ...」



声をかけてきたのは翔太。


何てタイミング。


真朝からの視線が痛い。



「・・・放課後、
絶対こいよ...?」



すれ違い間際に真朝に耳元で


言われた。


その口調の怖いこと...



「ん?
真朝、何か言った?」

「えっ?
何も言ってないでしょ!」



図星を言われ、


少し焦ってしまった。


ヤバい、今のはバレたかな?



「そ?
じゃあ、俺の空耳かぁ」
「そうだよ!」



よかった...


翔太には聞こえてなかったみたい。


でも..


このことが間違いだったと気づくのは


もう少し後のこと・・・
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