蒼い月

別れ


♪キーンコーンカーンコーン


憂鬱な放課後。


そんな憂鬱な理由なんて1つ。


真朝の呼び出しをくらってるから。


偶然朝に翔太が真朝のいる前で


話しかけてきたからきっと...


真朝の怒りがヒートアップ


したんだと思う。


すごく暗い声だった。


みんなは受験生らしく、


そそくさと帰っていった。


そして残っているのは...


あたし1人。



ガラガラ・・・



「よかった、誰もいないね」



そんな真朝の意味深な声が


あたし達しかいない教室に響く。



「さぁーて、飛鳥。
翔太とはどういう関係?」

「・・・朝も言ったけど
演劇で共演したってだけで...」

「でもそれにしては仲いいよね?
朝も話しかけられちゃってさ」



つーか、普通にそれって


嫉妬じゃないですか?


そーゆーので呼び出すとか


あたし的にウザいわ。


でもこれでまた反論すると


厄介なことになるんだろうな。


しょうがなくあたしは


下手に出ることにした。



「でも違うから...!
お願いだから、信じてよ」

「あたしはねぇ!
翔太の幼なじみとして
1番近い存在だったの!
翔太がサッカーのキャプテンに
なったってときも
あたしが1番喜んであげた!
そんな翔太をあんたは...っ」

「だから...っ」



あたしは反論しようと


思った瞬間に....



「いった...」



ガシャンッ


という嫌な音が響き


同時に全身に痛みを感じた。


あぁ、あたしそうじロッカーに


突き飛ばされたんだ。


不思議と苛立ちは感じなかった。


もう慣れてるからなのかな?


これでもかと言うほどに


暴言を吐かれ、蹴られ...


もう何をしても無駄だ、


そう思ったあたしは


抵抗するのをやめた。



「ほんっとうぜぇんだよ!」



もう駄目だ...


そう思ったとき―





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