蒼い月
「ねぇ...飛鳥、瀬戸内くんとの進展は・・・」
「ない!!!てか早く部活行こうよ~」
「へいへい。りょうか~い!」
笑が言い終わる前に
予想していた質問の答えをいい、部活へ。
ちなみに笑はあたしと同じ
ソフトテニス部に入っている。
なんとペアも一緒♪
有沙は吹奏楽部。
楽器は確か・・・トランペット?
「あっ!
ちょっと待って...もらっていいですか?」
「・・・・なに?瀬戸内晴輝」
「フルネーム?まぁ、いいけど。
朝も言ったけど俺、野球部入るつもりで
入部届けだしたいんだけど
顧問誰だかわかる?」
「野球部?うちの担任じゃないっけ?」
本当は知っていたけれど
笑があまりにも熱い視線を送ってくるから
話を振ってやった。
「うんっ、担任だよっ♪」
「そ。ありがと、飛鳥。・・・と田中さん?」
「あっ...うん!飛鳥の親友の田中笑ですっ」
親友って...自分で言っちゃう?
まぁ、それはいいとして。
それよりも気になったのが・・・
「呼び捨て....」
「あ、嫌だった?」
「うん、すごく」
「・・・・じゃ、俺のことも晴輝って...」
「呼ばない!!」
ありえない、あの人。
いきなり呼び捨てとか慣れ慣れしすぎ。
「ごめんね、瀬戸内くん。
じゃ飛鳥、部活行こっか」
「うん♪」
―まさか、こんな奴が将来
とても愛しい人になるなんて
考えてもいなかったの。
愛しいどころか最低な奴って思ってた。
でも、もしもこのとき君と
出会っていなければ
あんなに辛くて苦しい別れを
味わわなくてもよかったのかな?
そして何よりも君の将来を
潰さなくても済んだのかな...?
でも
・・・わからない。
どうして君を好きになったかなんて―