蒼い月

「瀬戸内がね?
アメリカには行きたいけど
そしたら飛鳥とは本当に終わりだって」

「落ち着いて言いたいけど
もしかしたら俺が泣くかも
しれないって」

「そんな・・・」



知らなかった。


晴輝はちゃんと考えていてくれたのに。


何で気づかなかったんだろう?


言いたかった言葉が次から次へと


あふれ出てきて。


後悔ばかりが頭の中によぎる。



「あ・・・雪?」



ふいに、有沙が声を出す。



「ほんとだ...初雪」



あたしたちは、もう誰もいなくなった


そんな教室をあとに、外に出た。



凍えるほどの寒さ。


マフラーをしてても寒くて。



「・・・じゃあねっ!」

「明日!
瀬戸内にきちんと伝えろよ~」

「・・・・うんっ!」



あたしは精一杯の声を振り絞った。


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