蒼い月

もう二度と


「いってきまーす!」



いつものように、あたしは元気よく


家を飛び出す。


今日の時間は・・・


遅刻じゃないし、早過ぎない。


なんともベストな時間。


やっぱりあたしって本番に強いタイプ?


でもそんなあたしの上機嫌は


一瞬にして崩れ去ることになる。



「ねえ、聞いた?」

「聞いた聞いた。瀬戸内晴輝の...」


「あいつ、晴輝さあ」

「やっぱり本当だった...」



何?


何なの?


廊下でところどころ聞こえる会話が


ほとんど晴輝な気がする。


気のせいなのかな?


でも今日は様子もおかしい。



「あっ!きたきた!」

「飛鳥・・・っ!」



2人とも息を切らしてる。


やっぱり晴輝に・・・



「聞いてる!?
瀬戸内がアメリカに移ったらしいって」

「え・・・?」



何?


どういうこと?
< 68 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop