蒼い月
もう二度と
「いってきまーす!」
いつものように、あたしは元気よく
家を飛び出す。
今日の時間は・・・
遅刻じゃないし、早過ぎない。
なんともベストな時間。
やっぱりあたしって本番に強いタイプ?
でもそんなあたしの上機嫌は
一瞬にして崩れ去ることになる。
「ねえ、聞いた?」
「聞いた聞いた。瀬戸内晴輝の...」
「あいつ、晴輝さあ」
「やっぱり本当だった...」
何?
何なの?
廊下でところどころ聞こえる会話が
ほとんど晴輝な気がする。
気のせいなのかな?
でも今日は様子もおかしい。
「あっ!きたきた!」
「飛鳥・・・っ!」
2人とも息を切らしてる。
やっぱり晴輝に・・・
「聞いてる!?
瀬戸内がアメリカに移ったらしいって」
「え・・・?」
何?
どういうこと?