蒼い月
「やっぱり・・・」
「どういうことか説明して・・・?」
「あのね・・・」
あたしはこのあと、有沙と笑の2人から
予想外の言葉を聞く。
「瀬戸内がアメリカに移ったんだって。
理由は聞いてるよね?
野球の本場だから、らしいよ。
この間、妙に飛鳥に言いたがってたのって
こういうことだったんだ・・・」
「晴輝があんなに焦るなんて
やっぱりおかしいと思ってたけど・・・」
何で・・・?
何で何も言ってくれなかったの?
あたしはわがままで。
あんなに言いたいこと言って
自分から突き放したくせに、
追いかけてきてくれることを願って
1人になったときやっと気づいた。
ねえ、
あたしはどうしたらよかったの?
失ってからその人の大切さに気づくんじゃ
遅いって、よくそういうけど。
あの時気づいてればよかった、って。
そうマンガとか何かでは言うけど。
でも
あたしは気づいてたんだ。
はじめから晴輝の大切さに。
自分が晴輝なしじゃ駄目なことにも
気づいてた。