蒼い月
ただ1つ。
気づけなかったのは......
"あたしが大人じゃなかった"
その1つ。
もしもあたしがもう少し大人だったら
2人で話し合えたかもしれない。
もしもあたしがもう少し大人だったら
お互い分かり合って別れることができた
かもしれない。
「飛鳥・・・大丈夫?」
「・・・うん、大丈夫だよ」
親友を心配させない為の見え透いた嘘。
いつばれるのかも分からずに。
「保健室・・・行ったら?」
でもその為の嘘は
余計に心配させちゃって。
「うん。保健室、行ってくるね」
そう呟いて教室を出た。