蒼い月
影
次の日、学校へ行くと
予想通り女子の群れが・・・
「おっはよ~ん♪」
そんな群れの中から
飛び出してきた我が親友、笑。
「おはよ。
つか女子邪魔!笑の席行っていー?」
「いいよ♪
んじゃ、あたし瀬戸内くんの
とこ行くから!」
「やった~!
ありがと、笑♪♪
そんなら瀬戸内のとこでも
どーぞお好きに」
そうしてあたしが
笑の席に着こうとしたそのとき―
「よっ!飛鳥!
お前の席ここじゃね?
なんでそこに...って
お前らが邪魔なんじゃん」
「いや、いいよ。
瑞穂たちも瀬戸内と話したいと思うし」
・・・なーんて言ってるけど
本当は瀬戸内のファンクラブ会長の
瑞穂と関わるのが
正直めんどくさかったりして。
「まぁ、とにかく!
いいから河田たちよけろよ!」
「えぇ~?
でも飛鳥がいいって言ってるじゃ・・・」
「飛鳥が良くても俺がだめ!」
あ~あ、
せっかくあたしが
めんどくさいことを
避けてたのに・・・
「ねぇ何で瀬戸内くんは
飛鳥のことは呼び捨てなのに
あたしたちは名字なの?
名前で呼んでよ♪」
ぶっちゃけどーでもいいし。
はっきりいって
キモいんですけど。
下心丸出しかい。
「名字とか名前とか
そんなこだわらなくてもよくね?
しっくりくるほうがいいじゃん」
「・・・それじゃあ
あたしも名字がしっくり...」
「んま、とにかく早くすわれよ♪」
あたしの抵抗も虚しく
瑞穂を含む女子らを
半ば強引によけると
瀬戸内はあたしに向かって微笑んだ。
・・・めちゃめちゃ童顔?
でもなぜかその笑顔が
頭に焼き付いて離れなかった―