嘘告白
「ああ、樋浦か……。何か用?」



川崎は、素っ気なく私に尋ねる。


……言うんだ、麻衣香。

好きですって、この一言でいいから。

とりあえず、自分の想いを、

気持ちを、川崎に…伝えるんだ!


私は、口をゆっくり開く。


「……川崎」

「はい?」


川崎の名を呼んで、

川崎が返事をして。


十秒程の沈黙が続いた後だった。
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