うらはらっ! [短編]
『え!?まじで!?今日告るのっ!?』
『ちょっ…!声大きいよっ』
聞いてはいけない、と思いつつもその場から動けないあたし。
『あ、ごめん!てか、羽柴君でしょ?』
え…?
羽柴って…陽太?
『うん…上手くいくかなぁ?』
『大丈夫だって!ゆなかわいいし、もう付き合ってるみたいな噂も聞いたよ?』
…もしかして、噂のマネージャー!?
タイミング良すぎだよ(泣)!
なんて思いながらも、声のする方をそっと覗く。
『付き合ってないよ!もう。どこからそんな噂流れるんだろ〜?』
そう言う「ゆな」さんらしき人は
肩くらいまでの薄茶色の髪が緩く巻かれてて、真っ白な肌に華奢な体型。
身長もあたしより低いし。
見るからにマネージャーさん、って感じ。
陽太はきっと、あーゆー子が好みなんだろうね。
いや、少なくともあたしより断然良い。
一瞬で勝ち目がない、って思い知らされる。