うらはらっ! [短編]
現実を思い知らされた気がして、更に沈んでいると
『でもね〜、陽太君に好きな子がいるって聞いたことあるんだけど…知ってる?』
また、信じたくない話が聞こえてくる。
陽太に…好きな子!?
『あ!なんとなくあるかも。でもそれってゆなのことでしょ〜?』
『え〜。絶対違うよ〜!』
なんて、実際思ってもいなさそうにあはは、と笑いながら話してる二人。
『でもとりあえず、今日自分の気持ちを伝えようと思って!』
小さくガッツポーズをして言うマネージャーさん。
あのかわいさがあたしには無いんだよね…。
『部活のときでしょ〜?ちゃんと結果教えてよね〜!』
なんて聞こえて、声が遠ざかって行った。
あたしの頭の中は、さらに混乱しちゃってて。
教室になんて戻れそうになかったから、屋上まで思いっきりダッシュした。