うらはらっ! [短編]


でも…



「可愛げなくてごめんねっ!」



そう言って、かばんからテーピングを取る。

可愛げないって言われても、やっぱり陽太が心配だし。



「…嫌だったら外していいから。」



そう言って、手際よく陽太の手にテーピングを巻く。

ほんとの気持ちが伝わればいいな、って願いながら。



「はい、完成!」



パッと手を離すと、ぽかんと私を見てる陽太。



「何、その顔。ってゆーか、つき指だと思って放って置いちゃだめなんだからね!」



まだぽかんとしてる陽太に「聞いてんの!?」とつき指した所を軽く握ったら



「―いっ!…は、はい。わかりました…」



「よろしい。」



やっと、返事をした。


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