【完結】先生との恋
あたしはガバッと起き上がって高橋の前に座り込む。
「何してるんですか!?
寝てないと……」
アイスを奪って慌ててあたしを寝かそうとする高橋。
あたしはそんな高橋を無視してアイスを持った手を掴んでアイスを取り返すと、カップを横の棚の上に置いた。
こんな冷たいもの持ってたら、尚更冷たくなるじゃん。
「冷たい。
外、そんなに寒かったの?」
高橋の手はビックリするくらい冷たかった。
「まぁ、夜だったんで寒かったけど……」
あたしは高橋の言葉を聞きながら腕やら肩やらを触りまくる。
高橋も大人しく触られてるし。
どこも冷たい……
高橋自体がアイスみたい。
普通だったら 冷たいね、程度なのかもしれないけど、
熱のあるあたしと冷えてる高橋では、
温度差が激しくてかなり冷たく感じる。
「風邪引くじゃん……
あたしの我が儘聞いちゃってさ」
あたしは高橋の手を握って、暖める。
自分の手も冷えて気持ち良い。
「熱出た時ってお母さんが我が儘聞いてくれるんですよね。
だから、僕も我が儘聞いちゃいました」