【完結】先生との恋


あたしは用意しておいたバックを持つと、廊下に看護師さんがいないか確認しながら部屋を出た。



高橋は大人しくしとけって言ったけど。

そんな偉そうな事言われて黙って言うことなんか聞くはずないでしょ。

休みの癖にあたしの誘いを断りやがって……





ムカつく!!


高橋が行かないからあたしも行かない、



行っちゃダメって言われたから行かない。

なんて思う程聞き分けの良い子じゃないから。



高橋なんかいなくてもあたし一人で行ってやる!


あたしが素直に高橋の言うことを聞くとでも思ってんの?



今までしばらく大人しくしていたのはこの日の為に油断させて動きやすくするためだし。

あの同室の子も今日は点滴をしてなかったし。

あの子が看護師さんを呼ばない限り

昼食時間まで看護師さんはあたしが病院を抜け出した事に気付かないでしょ。

……今から行ってゆっくりしても1時には帰ってこれるはず。



ダメだって言われたら行きたくなるんだもん。










駅に着いて電車に乗り込むと、

混雑してなくて椅子に座ることができた。

……メイク、やっぱりしたかったなぁ。



したら「出かけます」って言ってるようなものだし。



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