【完結】先生との恋
「してないから貸してって言ってるんだけど!
あんま見ないで、恥ずかしいから」
手で顔を隠すあたしとそれを退かして見ようとするあさみ。
あんまりはしゃいじゃいけないのに……
「今日はナチュラルなのかと思ってた。
心、スッピンでも全然大丈夫じゃん」
あさみは素早くどこか店の奥に消えていったかと思うと、可愛いポーチを持って再び現れた。
「ありがと。でも恥ずかしかったんだからね?
ここに来るまでの間……」
あたしはあさみからポーチを受け取る。
あさみはまだ休憩時間にはならないらしく、
トイレであたしがメイクし終わった後
あさみの店でゆっくり服を見ようって話になって、あたしはトイレへと向かった。
「よし……!」
いつも通りになった!
鏡の前で変な所が無いか最終確認。
やっぱ人前でスッピンは落ち着かない。
……結構気合い入れすぎたけど、今何時だろう?
携帯の電源を入れて時間を確認する。
もう、ここに来て40分経っていた。