【完結】先生との恋

電話








「あの……大丈夫ですか?」



なんとか胸の痛みがなくなって、個室から荒い息を整えながら洗面台へと行った時。



ちょうど隣の洗面台で手を洗っていた若い女性が心配そうにあたしに話し掛けてきた。



「あ……大丈夫です。もう平気なので」



ニッコリ笑いながらその女性に答えると、心配そうな顔をしながら出ていった。







大丈夫。


愛想よく返事する余裕も出てきた……。



目の前の鏡を見ると、真っ青になっている自分。



この顔を見たら、心配そうに声をかけてくれるよね。



あたしがあの女性でもかけてたと思うし……。






荒かった息も落ち着いて来た。


そろそろ時間も経ったし、


写真展に向かおうか……



そう思った時。




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