【完結】先生との恋
走っちゃったから。
こうやって嘘を吐いて高橋をショッピングセンター内から移動させた方が、あたしも動きやすいし。
電話を切った後、さっさと写真展を見てから帰ればいいし。
……後もうちょっとなんだから。
邪魔しないで。
『……それ、本当ですか?』
少し間をあけて、高橋の確認するような声が聞こえた。
さすがにあたしの言う事を信じてそのまま帰る……って事はしないか。
一応疑う、よね。
「うん。ほんと」
ここから高橋がどこにいるか見えないかと辺りを見回してみる。
……人が多くて見つけずらいし、見つかる気配もない。
「だから、また後で病院でね」
そう言って通話を切ろうとした時。