【完結】先生との恋
高橋の意外な行動にあたしは高橋に聞く。
「本当は今すぐ帰りたいですけど……俺から走って逃げるくらい見たいんでしょ?写真展」
ニッコリ笑った高橋に、ドキっとする。
「見て満足して、大人しく帰ってくれるなら。しょうがないから行きましょう。
……その代わり。もう病院を抜け出さない事と今日走ったから。
病院戻ったら大人しく検査受けて下さいよ?」
……こんな事言うような人だったっけ?
「後……さっきは怒鳴ってすみませんでした」
何でわざわざ謝るのか分かんない。
だって、あたしが走ったから怒ったんでしょ?
「もう絶対怒鳴ったりしませんから」
「何で?」
普通に聞き返したあたしに、高橋は首を傾げる。
「ビックリしたでしょ?心臓にも悪いし、僕も我を忘れてたって言うか……怒鳴る事無かったなと思って」
そう言った高橋に、思わず笑ってしまう。
「……何で笑うの?」
人が反省して謝ってるのに。
呟いて真顔に戻る高橋。
いつもの高橋の様子に、あたしもいつも通りに話す事にした。
「そこで謝っちゃダメ。
確かにビックリしたけど、あたしが走ったから怒ったんでしょ?
だったら高橋は間違ってないじゃん。そこで謝るからまだまだなんだよ。
我を忘れてたって、あたしが発作起きないように必死だったんでしょ?
あたしが悪かったし……怒らなきゃいけない所はさっきみたいに怒った方が良いと思う」