【完結】先生との恋
怒られたい、ってどんな趣味よ。
ムカついたあたしは手を繋いでない方の手で高橋の肩を叩く。
「痛……」
高橋は顔を歪ませて肩を擦っていた。
写真展の会場はそこまで人は多くなかったけど、そこそこ入ってるみたいだった。
「はい、行ってらっしゃい。
30分で出てきてね」
高橋は繋いでいた手を離すと、会場の前にあるベンチに座る。
「……高橋入んないの?」
見たいって言ってたじゃん。
「だってチケット無いと入れないし……」
そう言った高橋に、あたしはバックから封筒を取り出す。
そして、中からチケットを二枚取り出して高橋の顔の前に見せる。
「……あさみからの封筒ごと持ってきたから、高橋の分もあるよ?」
いちいちチケットだけ取り出すのが面倒だったから、封筒ごと持ってきてたし。
「本当に!?」
そのチケットを見つめる高橋。