【完結】先生との恋
*5*
傷痕
あたしはこのまま
死んでしまうのだろうか。
一生消えない大きな傷を
付けられて
生きていかなければ
いけないのなら。
今、ここで楽になった方が
マシかも。
意識を手放す前、
そう思ったけれど
あたしの想いを
誰かに伝える事も出来ず。
手術を拒んだあたしの訴えも
高橋に届いたのかすら
分からないまま。
あたしは真っ暗闇に吸い込まれていった――――……