【完結】先生との恋
いつもの発作の痛みじゃなくて
表面的な、心臓付近の“皮膚”が突っ張るような痛みだった。
…どういう、事……?
「先生呼んでくるな」
呆然として、口を開かないあたしを見ながら
お父さんは部屋を出ていく。
「心……あんた、病院で発作起こしたのよ?」
覚えてる?
遠ざかっていくお父さんの背中を見ていたお母さんが、あたしへと視線を戻して口を開く。
病院で発作?
頭の中で今聞いたばっかりの言葉を繰り返すと、やっとぼんやりしていた記憶が戻って来た。
……そうだった。
写真展から高橋と一緒に帰ってきて、念のために検査すると言われ検査室に行く途中で胸が苦しくなったんだった。
で……今のこの状況。
わざわざ聞かなくても、分かる。