【完結】先生との恋
「病院抜け出したと思えば発作起こして……いつかこうなると思ってたのよ」
まぁ、助かって良かったわ。
そんなお母さんの言葉も、今のあたしにはなんとも感じない。
頭の中を支配してる想いは
ただ一つ。
「手術……したんだ」
吸入器のせいで籠もった声が口から出た。
お母さんは、やっと発したあたしの言葉にハっと目を見張る。
そして、ゆっくりと頷いた。
……そっか。
あたしが意識を手放す前に高橋に必死に伝えたかった言葉は、高橋に伝わらなかったんだ。
あんなに嫌だって言ってた手術……しちゃったんだ。
「……気分はどうですか?」