【完結】先生との恋
小さい声でしか言いたい事が言えないから、迫力が無いのが残念だけど。
助けてくれたのに、そんな言い方しなくても……とも思うけど。
「高橋には悪いけど……手術するくらいなら、あのまま死んだ方が良かった」
高橋が唇を堅く結ぶ。
……怒った?
きっと今ここにお母さん達がいたらぶん殴られてるだろうな。
高橋は怒ってても、何も発言しないだろうけど。
今だって、悲しそうな顔をして何か言いたげにあたしを見てるけど口は開こうとしない。
「出てって」
あたしはもう涙が零れないように目を瞑る。
「出てって……」
動く気配が無いから、もう一度言う。
「……何かあったらいつでも呼んでください」
しばらくして、相変わらず優しい高橋の声が聞こえた後、
遠ざかっていく高橋の足音がした。