【完結】先生との恋







たまに誰かが様子を見に来た時は、目を瞑ってごまかしていた。


そうして、朝をむかえた……。








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「……食べれないし」



あたしは目の前に用意された朝食に向かってボヤく。



手術から数日経って、先生から起き上がってーとか、立ち上がって動いてって言われるようになった。



寝返りだけでも辛いのに、動くなんてあり得ない。


「……本当にあり得ない」




この朝食も、そう。



お粥だけど、不味い。



っていうか病院の食事は薄味でほとんど美味しくないけど……。


味が無いお粥を毎日食べろって言われても食べたくないし、食欲も湧かない。



あたしは、真っ暗闇の絶望の中に、突き落とされたのだから。







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