【完結】先生との恋
机の端には参考書のような本が置いてある。
シャーペンを握った手を止めて、真っ直ぐこっちを見ていた。
こんな風に呼び止められたのは、初めて。
話すのも……初めて。
「……何か?」
立ち止まったまま顔だけそっちに向ける。
はっきり言って、話す内容なんて無いはず。
あたしの勘が当たっていたら、一つだけあるけど……。
その人は、あたしを睨むように見ながらゆっくりと口を開いた。
「どうして、高橋先生にあんな態度を取るんですか?」
ほら、高橋の話題。
これで確信する。
絶対、高橋の事が好きなんだって。
だから、そんな事あたしに聞くんでしょ?