【完結】先生との恋
いつか平気で傷を見れるような日が来るのかもしれないけど……。
今のところそんな気配は無いし。
「大丈夫だよ。心が見ようって思えた時に見れば良いし……」
椿の言葉に、頷く。
「後……あたし達は心の傷なんて全然気にしてないから」
そう言って、ニッコリ笑うあさみ達。
「心の事だから傷、あたし達に見せたくないとか思ってるんじゃないかなー?って」
「そんなの、気にしないから!ね、あさみ」
「うん。だからさ、退院したら温泉行こうよ! 部屋に温泉ついてるとこでもいいから」
「個室良いよねー!いつでも好きな時に入れるし……」
なんか、感動して泣きそうになる。
良い友達を持ったなって。
「あさみ、椿、ありがと」
あたしがお礼を言うと、2人は笑う。
「さっ、メイクしてー。髪はストレートで良い?」
あたしのストレートアイロンを取り出してコンセントに差し込むあさみ。
髪はあさみに任せる事にして、あたしはメイクを始める。
椿は、ベッドに腰掛けてあたしとあさみを見ていた。
「……あの、今日は外泊なんで。出かけてきます」