【完結】先生との恋
退屈だから仕方なく隣の高橋に声を掛ける。
「28」
「28……か」
あたしと約10違うのか。
「今、おっさんだって思った?」
「……」
高橋が話かけてきたけど、あたしは返事をしない。
敬語も大分無くなってきたし、向こうもあたしが心を開きだした、なんて思われたら困る。
馴れ馴れしくなったらあたしは冷たく接する。
……返事をしないあたしに高橋はベンチの背もたれに頭を預けた。
平然としているその姿に、不思議に、思う。
「あんたさ、10も違う年下の子供に偉そうな事言われてムカついたりしないの?」
気弱って言うか……怒った所も見た事が無いし。
ちょっとくらい怒れば良いのに。
きっと怖くないだろうけど。
それが、高橋の素なの?
ニコニコして、怒らなくて。
本性があるんじゃないの?