【完結】先生との恋
「いや、岡本さんは黒が欲しいってあさみちゃんが―――」
そこまで言って、ハッと口を閉じた高橋。
黒?
あさみ?
やっぱり黒より白?
「ね、もしかして……この服、高橋が選んだの?」
口を閉じたまま、運転を続ける高橋。
「高橋が選んだんでしょ?
だから、この位の首の開きだと傷が見えないって分かってギリギリのを選んだんでしょ?」
自惚れかもしれないけど。
あたしがもう、胸元の開いた服着れないって言ったから。
だから、なるべく開いた可愛い物で傷が見えないギリギリのラインの物を選んだんじゃないの?
手術した高橋なら、あたしの胸にある傷の位置も知ってる。
そんな高橋が選んだ服だから、あたしが傷が見えるかもしれないって思って着替えるのを躊躇していた時に
あさみは絶対大丈夫だと断言するような言い方をしてたんだ。
辻褄が合う。
「なんとか言えば?」
黙ってる高橋に、言う。
「……そうだよ。僕が選んだのはワンピースだけだけど」