【完結】先生との恋
気を取り直した所で、膝の上に置いたままの紙袋を持つ。
さっき、無理矢理押し付けられた紙袋。
カサカサ音をたてながら、中の綺麗に包装された箱を取り出す。
包装されたまま上下に振ってみると、パズルのピースが中で動く音がする。
「パズル?」
音を聞いただけで分かったらしい高橋。
「そ。頼んでたやつ」
答えながら、箱を裏返してセロハンテープを探す。
そして、丁寧に剥ぎながら包装を取っていく。
「え、ここで開けるの?」
ガサガサともの凄い音を立てながら取っていくあたしに、高橋が言う。
だって……暇だし?
「まだどんな絵か分かんないし、絵の確認するだけ」
ガサガサの音に負けないように返して、包装を取り去る。
「わ……」
箱に描いてある絵を見て感動する。
あたしが言っていた通り、夜の月夜が照らす海で泳いでいるイルカ達。