【完結】先生との恋
……どういう考え方をしているのだろうか。
医者だから頭は良いみたいだけど……なんかかわってる。
あたしの事を分かってる、
理解してる、みたいな言い方しないでよ!
たった数日で、あんたはあたしの何をわかったつもりでいるのさ。
……気分が悪い。
あたしは返事をせずに、ベンチを立ち上がる。
「戻るの?」
いちいち聞いてくる高橋。
「出掛ける」
「どこに……僕も」
慌てて立ち上がろうとする高橋の肩を押してもう一度座らせる。
あんたの顔……しばらく見たくない。
むかつくから。
付いて来ないで。
軽く押したつもりだったのに、
高橋は不意討ちだったのか簡単にまたベンチへ倒れた。
つられて私も前屈みになり、
高橋の顔と至近距離になる。
……高橋に乗り掛かってしまわなくて良かった、と咄嗟に思った。
「――部屋に戻る。だから、もうあんたも仕事に戻っていいよ」