【完結】先生との恋
「それじゃ、何食べます?」
だけど高橋は何ともないように会話を続ける。
あたしは今度こそ本当に決めようともう一度お店を見渡した。
どうせなら、最近食べてなかった物が良いよね。
最近ずっと食べてなかった物……。
「たこ焼きが良い」
あたしがたこ焼きのお店の方を見ながら呟くと、
「分かりました」
そう言って、高橋は席を立った。
歩いていく高橋を見つめながら思う。
病院で、ベットの上から部屋を出ていく高橋を見てる時と違う後ろ姿。
白衣を着てないからかもしれないけど。
悔しいけど、私服が似合ってるし。
言葉にならず溜息を吐きながら、ただ座ってるのも暇なので、あたしは水を取りに向かった。
「美味しかったー」
映画館へと向かうエレベーターの中で満足して呟く。
「僕も美味しかったです」
高橋も上がっていく階数表示をみながら返してきた。