【完結】先生との恋
たっぷり2時間15分。
映画を楽しんで、照明がつきはじめた頃。
他のお客さんも席を立ち初めた。
隣を見ると、未だにぐっすり夢の中の高橋。
さすがにそろそろ起こさないと……。
「……高橋」
肩をトントン叩く。
……どれだけ疲れてんの。
無反応な高橋に、あたしはさっきよりも強く、医者が意識不明の人を起こす時みたいに頬っぺたをパチパチ叩く。
「高橋!」
「ん…?」
顔を動かして、パチっと目を開けた高橋。
焦点がまだ合ってないらしく、ポケーっとしてるし。
「そろそろ出ないと……」
係の人が清掃に来るし。
あたしの言葉に、ガバッと起き上がる。