【完結】先生との恋
あたしは高橋の肩を押さえ付けたまま、睨み付けて口を開いた。
あたしの世話ばかりがあんたの仕事じゃないでしょ?
あたしにかまわず仕事に戻ってよ。
できればもうしばらく来ないで。
それだけ言うと、あたしは部屋へ戻ろうと高橋から手を放し、体を起こして歩き出した。
……せっかく外の空気でも吸って気持ち良くなろうって思ってたのに。
気持ち良くなるどころか逆に苛々しただけだった。
高橋のせいで、台無し。
此処じゃ一人で落ち着ける暇も無いのか。
病室は4人部屋だけど、今はあたしともう一人の子が斜めにいるだけ。
その子と話す事も無いから他の部屋に比べたら静かだと思うけど……。
一人にはなれない。
看護婦さん達が歩く音、器具の音、人の雑談の声……
気にしてなければなんてことないけれど
一回気になってしまうと苛々してしょうがない。
気分転換に外へ行こうとしたら……高橋が付いてくる。
あの、あたしの気持ちを分かってる、みたいな言い方。
すごくムカつく。
……高橋が言ってることは間違ってはいなくて。