【完結】先生との恋
どうせ病院では暇だし。
でも、あの大きいのを広げるのは難しいから何個か部分別に作っていって合体させなきゃな……。
家に帰ったら、お母さん達が待ってるだろうし。
お母さん達に手伝って貰うのも良いかも……。
なんて思いながら、窓の外を眺めていると、ある事に気付いて高橋を見る。
「ね、高橋」
「ん?」
前を見たまま高橋は答える。
「あたしの家の場所、知ってるの?」
カルテにあたしの住所って書いてあるの?
んなわけ無いよね。
「……知らない」
案の定、あたしの予想通りの返答をした高橋。
「じゃあどこに向かって走ってんの?」
今まではあたしの家に向かって走ってるんだろうと思っていたのに。
急に不安になって高橋に聞く。
「……僕の家」
当たり前のように平然と答えた高橋に、驚いて目を見開いてしまった。