【完結】先生との恋
*7*
幸せなパズル
高橋の家は、さすが医者だなーって思うくらいの立派なマンションだった。
でも、中は普通……。
っていうか、家具とかも普通に売ってる物とかで、凝ってなかった。
「どこかの有名な家具揃えてんのかと思った」
部屋を見渡してそんな事を言ったあたしに、高橋は買ってきた袋を床に起きながら
「別に家具なんて使えたらどこでも良いでしょ」
と、庶民的な回答をしてきた。
マンション自体の外観は立派だけど、部屋はあたしの家と変わんないじゃん。
ちょっと一つ一つの部屋が広いくらいで。
高橋が住んでるからそう思うのかもしれないけど。
「何か飲みます?」
部屋を物色してる間、買ってきた物を袋から出して冷蔵庫に入れていた高橋は、それが終わるとあたしに聞いてくる。
「いらなーい」
そ、と高橋はキッチンの方からこっちの部屋へと来て座る。
……今思ったんだけど。
何もする事無くない?
特別、話す内容も無いし……。
今手術した時に言った酷い発言について謝るか……とも思ったけど。
これから先の事を考えたら、今話すのは気が引ける。
重たい空気のまま、夕食食べて、ケーキ食べても楽しくないだろうし。