【完結】先生との恋
……消毒。
いつまでも逃げてちゃいけない。
この傷のせいで何も出来ない、なんて思っていたけど。
この傷があってもあたしを好きだって言ってくれる人がいる。
もう、怖くない。
「……あたしの担当の高橋先生でお願いします」
あたしがそう言うと、「嬉しいけど、寂しくなるなぁ」なんて言いながら出ていった清水先生。
後に残った高橋は、嬉しそうにあたしを見ていた。
すぐに看護師さんも来てくれて。
消毒するため、パジャマに着替えて前を開けようとしたあたしを、高橋が止める。
「良いんですか?」
「……何が?」
「清水先生じゃなくて」
さっき自分が指名されてて嬉しそうな顔していた癖に。