【完結】先生との恋



外へ行きたい。

また……いつものように抜け出してやろっか。





「――おはよう、心ちゃん。調子はどうかな?」


そんな事を頭の片隅で企てていると、あたしの名を呼ばれて、窓に向けていた視線を呼ばれた方向へと移す。



タイミングが良いのか、悪いのか。


たまに、あたしの思考まで監視されてるんじゃないかと思うことがある。



あたしに声をかけてきたのはニコニコしながら部屋に入って来た白衣を着たおじさん……じゃなくて清水先生。



先生はニコニコしてるけど、あたしはきっと今、清水先生のような穏やかな顔じゃなくて、ブスッとした顔をしていると思う。



「……清水先生、いつ退院出来るんですか?
早く家に帰りたいんですけど」




不機嫌な顔をしているのは自覚しているけど

あたしはその顔のまま清水先生を見る。

体調なんか、とっくの昔に元気になってるよ!

分かってるはずなのに、なかなか退院許可をくれないのは清水先生じゃない。



あたしは聞かれた質問に答えず、自分の思ってる事を伝える。




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