【完結】先生との恋
執刀医
「お母さん……毎日来なくても大丈夫だって!
あたし、いつまでも子供じゃないし、普通だったら一人暮らししてるんだよ?」
あたしはベットに寝転がって雑誌を読みながら、花を生けてるお母さんに声をかける。
「いつまでも子供よ!
子供でも病院を抜け出したりしないだろうけど」
だからあんたは子供以下ね、そう付け加えてお母さんはあたしを横目で見る。
う……それを言われたらあたしは何も言えない。
毎日夕方になると、パート帰りにお母さんは病院に寄ってくれる。
パートが無い日でも来てくれる。
最近はパートの日数を増やしてあたしの入院費や手術費用を稼いでいるみたいだけど……。
無理をしてほしくない。
お母さんは「家に一人でいたってつまんないからパートしてるだけー」なんて言ってるけど。
お母さん、いつも疲れているように見える。
「……抜け出したくもなるよ。毎日こんなところでごろごろしてなきゃいけないんだよ?
外の空気だって吸いたくなるし、友達とだって遊びたいし、コンビニでお菓子だって食べたいし…」
「売店があるじゃない」