【完結】先生との恋
“ワガママで困ります”って本当に思ってることを。
馬鹿じゃないの。
高橋は「失礼します」と言ってもう一度頭を下げるとゆっくりと部屋を出ていった。
「高橋先生、優しくて良いわねー!」
うっとりしたように高橋の後ろ姿を見ていたお母さん。
どこが?
「優しい?」
「お母さんが心と変わって欲しいくらいよ。じゃ、また明日来るわね」
お母さんは上着を着てあたしの着替えが入った紙袋とバックを持つ。
「……だから、毎日来なくても大丈夫だよ?着替えがなくなる頃に来てくれたら」
あたしも下まで送って行こうと立ち上がる。
「別にあんたの為に毎日来てる訳じゃないのよ」
「……は?」
お母さんは、ニヤっと笑ってあたしを見る。
今、ものすごく酷い言葉が聞こえた気が……。
「……高橋先生に毎日会えるから来てるのよ」
あー……はいはい。