【完結】先生との恋
電話に出ただけでもありがたいと思ってよね。
一応元気って事は知らせたし、
もういいや。
「じゃ、そのうち帰るから!
切るよ?」
《ちょっ、待って下さい》
電話の向こうで焦っている高橋の声を聞いて、切ろうと電話を耳から離した時……。
ひょいと携帯があたしの手から離れた。
あ、と思った時には携帯はあさみの耳に当たっていて。
「あ、もしもし?高橋先生ですか?」
そして、携帯が繋がっている向こうの高橋に話し掛けるあさみ。
何やってんの!?
「ちょっと!」
あたしは手を伸ばして取り返そうとするけど、
あさみはニヤって笑ってできるだけ携帯をあたしから遠ざけようとする。
「しっ!」
口に人差し指を当てるあさみ。