【完結】先生との恋
……あたしが前に入院したのはいつだったけ?
去年は一回も入院してないから、その前。
確か……高2の終わりだったはず。
その時にあさみが高橋にあたしの部屋を聞いたって事は。
―――そんな前から高橋って此処に居たんだ。
ふーん。
知らなかった。
「優しく丁寧に教えてくれて、おまけにカッコいい先生だったから覚えてたんだよねー」
あさみはその時の事を思い出すようにゆっくりと喋る。
高橋を見ると、照れてる?し。
うわー……。
「あんた何真に受けてんの?」
馬鹿じゃないの?って言う目であたしは高橋を見る。
「お世辞よ、お世辞」
社会人なら分かるでしょ。
冷たく、一言。
言った瞬間、高橋が真顔に戻ってあたしを見たけど。
気付かないふりをしてあたしはくるっと背を向けて窓の外を見た。
ちょっとかっこいいって言われたくらいで嬉しそうな顔しちゃってさー。
「お世辞なんかじゃないですから!」
「そうですよ!高橋先生カッコいいし!
毎日心のお見舞いがてら、先生に会いに来ちゃおーかなっ?」