【完結】先生との恋
……もう出ていくって言ってるんだからさ。
行かせればいいのに。
仕事もあるだろうし。
あたしの様子を見に行ったのに時間をかなり取ってしまって他の仕事が終わらなかった、だなんて言われたらどうすんの。
「高橋先生ってー……彼女いるんですかっ?」
「え?」
困惑した声を漏らす高橋。
「カッコいいから、いますよね?」
「嫌……いませんけど」
「またまたぁー!そう言って、いるんでしょ?」
もういいじゃん。
別に高橋に彼女がいようがいないが。
「いや、……本当にいないですから」
「じゃあ、あたし達みたいなのってどうですか?」
椿が高橋の方へ身を乗り出しながら聞く。
何を聞いてるの。
「まだまだ若いから元気が良いですよね。病院から抜け出そうなんて行動力もすごいと思いますし」
「あー違う!そこの問題児の事じゃなくて、あたしと椿ですよ」
あさみが笑う。
……どうもすみませんねぇ。