【完結】先生との恋
変わることなんて、ない。
何勝手に言ってるの?この2人は。
「あ、もうそろそろ帰るね?バイト行かなきゃー」
時計を確認して雑誌を閉じると、あさみと椿は 頑張ってね と意味の分からない言葉を残して去っていった。
……嵐だ嵐。
あたしは二人の背中を見ながら、凄く疲れて溜息を漏らした。
……確かに高橋があさみ達と話をしていた時、変な感覚になった。
でも、それはきっとあさみが言った嫉妬って物じゃない。
……きっと。
あたしの心臓がどうかしてるからなんだ。
でも。
高橋が気になるのは確か。
……怒らないし、弱々しいし、いつも清水先生の後ろにいてあたしを見てるし、いちいちどこに行くのか確認してきたり。
でも、たまに言う事があたしの思っていた事と当たっていたり。
……気になるけど、なんかムカつく。
あの、たまに見せる笑顔がムカつく。
でも、こんなこと考えて。
あたしが高橋に振り回されてるみたいじゃん。
あたしが振り回されるんじゃない。
あたしが高橋を困らせて……振り回してやるんだから。