【完結】先生との恋
あの子は高橋が好きなんじゃないかと思うようになった。
あの子って言ってもあたしよりも年上で大学生らしいけど。
見た目からしたら、きっとあたしの方が年上に見えるんじゃないかと思う。
小柄で、細くて、
あたしが言うのもなんだけど病弱そう。
あの子、さっきから痛そうにしてたけど、看護師さんが来ても何も言わなかったし。
高橋がここに来るのを待ってた……高橋目当てだったんじゃないかなーと思う。
……それにしても、ほんと単純。
ちょっと頼られた位ですぐにニコニコしちゃってさ?
「……じゃあ担当代わってもらえば?」
あたしは冷たく一言言うと、立ち上がる。
「……どこに行くの?」
すぐさまいつも通りの反応で聞いてくる高橋。
「高橋のいないとこ」
……あたしはあんな可愛い笑顔で高橋と接するなんて無理。
素っ気ない言い方しか出来ない。
なんか苛々してくるし……。
その苛々を振り払うように歩きだせば、後ろからも足音。
そして、気配。
……付いてくるし。
まぁ、付いてくるのは分かってたけど。