【完結】先生との恋
「怒っちゃいました?」
軽い。
軽い質問にあたしは苛ついた表情を隠すことなく全面に出す。
「別に」
いつの間にかあたしの隣に並んでいた高橋。
身長の差が歩幅に表れてる。
軽々とあたしに合わせて歩いてきてますますむかつく。
「……嫉妬とか」
なっ!
ボソッと呟かれ、反射的に高橋を見上げると高橋はニッコリ笑ってるし。
……ムカツク。
「んなわけないでしょ」
どうして、あたしが!
なんで嫉妬しないといけないの。
苛々してたのは……何でか分からないけど。
別に怒ってもないし、
嫉妬もしてない。
「……売店ですか」
高橋は行き先が院内だったこと安心したらしい。
あたしは温かいレモンティーを手に取る。