【完結】先生との恋



さっきの高橋のように、今度はこっちが驚いて目を見開いてしまう。



……ひんやりとした高橋の手。



冷たい。

そして少しの間を開けて、今度は首を手を返して触る。



「……何してんの?」

いきなり触られてあたしは驚きながらも、冷静に聞く。



高橋は、手を当てたまま眉間に皺を寄せていて。


……本当に、何なの?



「……熱いです。部屋に戻りましょう」

高橋はそれだけ言うと、あたしの手を掴んだまま歩きだした。



「熱いから外で涼もうと思ったのに……」



「熱あるのに寒いところへ行ったら尚上がるよ。他に症状ない?頭痛いとか、喉が痛いとか……」

熱?

あたし熱あるの?



暑いとは思っていたけれど、熱が出てたなんて全く気付かなかった。



< 97 / 364 >

この作品をシェア

pagetop