メイドが執事に恋をする
桜井さんも意外と寂しがりなのかもしれないね。
そう思うと胸が締め付けられるように愛しさが込み上げてくる。
離した手を両手で包み込むように触れた。
がっしり大きな手。
綺麗な長い指。
熱い手のひら。
そっと握ると
ぎゅっと握り締めてくれた。
熱のこもった手に
心もぎゅっと締め付けられる。
この手を振り解くなんて出来るわけが…ない。
あたしの心が
ザワザワと疼き始めた。
どうして。
お嬢様が居なくなっていたんですか?
どうして。
あたしに電話したんですか?
どうして。
他の誰でもない
あたしを呼んでくれたんですか?
桜井さんは…
お嬢様が好きなんじゃないんですか?