メイドが執事に恋をする
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自分の部屋に戻る俺の手には2人分の朝食が乗っている。
静江さんの部屋では大して突っこまれることもなく簡単に許可がおりた。
もう少し何か聞かれるかと思ったけど意外にあっさりだったのは、きっと静江さんの中でそれなりに高田が評価されているからなのだろう。
確かにあいつ居眠り以外は真面目だもんな。
そう思うと
居眠りなんてしません!
と文句を言う高田を思い出して、小さく笑った。
自分の部屋の前に立つと中から
ぬぉぉぉ
と苦悩する高田の声が聞こえた。
きっと目が覚めて俺のベットにいるもんだから驚いているのだろう。
困る高田を想像しながら笑いをこらえて部屋の扉を開けようとした。
と扉を開ける手に一瞬戸惑った。
キスした後ろめたさと
体の奥にあるもどかしさを感じた。
はぁ。
情けねぇ。
何ガラにもなく緊張してんだ。
気持ちを落ち着けるために1度呼吸してからゆっくりとドアノブを回した。